影狼
YKR-007
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くらいくらい夜の闇、村を白い霧が包む時。 狼の遠吠えが聞こえ、人々はお互いに爭い合う。 ひとり、またひとり。 村人は霧の住人となっていく。 やがて村を包む霧が晴れる時、村には誰も殘らない。 誰も、一人も……殘らない。 ――村に住む女性・ペティは、數年前に両親を亡くしていた。 家無き子として村にいる豪商の家に引き取られたが、その家では虐待される日々。 救いの無い日常を繰り返す中で、ペティは村全體に対しての憎しみを抱くようになる。 「ねぇ、霧に包まれた村の話って知ってる?」 ある日、ペティの前に差し出された救いの手。 その手を差し出した女性・レミィは、自身を大神の使徒と名乗った。 大神の使徒はその神通力によって、世界の理をねじ曲げる魔法を使うことが出來る。 しかしその対価として、供物として人々の命を捧げる必要があった。 ペティはその手を握り返し、大神の信徒となることを決意する。 自分を虐げる村人への怒りを解放し、自由を手に入れるために。