虛之少女
GUN-0024
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日本が戦爭への道を歩み始めた、所謂戦前と呼ばれた時代。 北陸の雪深い山中に 人形(ヒトガタ) と雲う集落があった。 “ヒンナサマ” と雲う土人形を祀る奇妙な風習が殘る此の地にて、祭りの夜にひとりの女が殺されていた。 村のものは口々に “ヒンナサマ” の祟りだと口にした。 正統ではない者が “ヒンナサマ” を祀ったが故に祟りに遭って殺されたと。 昭和三十二年、十二月。 朽木冬子が病室より攫われてから、およそ二年の歳月が過ぎていた。 時阪玲人の妹・紫は、自殺を図ろうとしていた男を助ける。 この男こそ現在に黃泉帰った “ヒンナサマの祟り” の被疑者であった―― 戦時を跨いで続く妄執を斷ち切る為に時阪玲人は動く。 その胸の內に冬子への妄執を引き摺りながら―― 同時期に動きを見せ始めた、六年前に解散した筈の宗教団體は果たして、何を畫策しているのか―― 祟りを為すのが天であろうとも、手を下すのは人である。